フロントエンドエンジニアのわたしが大事にしている価値観について

マークアップエンジニアとしてウェブ制作会社に入社してから10年になりました。若いね~と言われなくなってからも随分たちました。いろんな意味でひとつの節目に来たのかなと感じます。そこで、わたしがごく個人的に大事にしている、仕事とエンジニアリングについての価値観をまとめました。

意味もなく、これからの若手エンジニアに語りかけるようなまとめ方をしています。

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ウェブデザイナーはコーディングを知るべきか問題についての覚書

  • わたしなりの結論
    • 問い自体がまったくナンセンスである
    • あるのはそれぞれの現場のみ
  • 問題提起:「なぜコーディングだけなのか?」
    • この問題になにかしらの答えをもとめている人、あるいは、答えがでると信じている人に聞いてみたい。
    • ウェブをウェブたらしめている技術はほかにもあるではないか。ほかは知らなくてもいいのか?
      • jQuery プラグインどれくらい知ってるかは?
      • WordPress のコンテンツ管理については?
      • JavaScript は? JS のフレームワークは?
      • サーバーサイドフレームワークは?
      • URL は? HTTP は? TCP/IP は? DNS は? 文字コードは?
      • WWW の歴史と思想は?
  • 「ほかの技術も知っているにこしたことはない」?
    • ならば「ウェブデザイナーはウェブ技術をまんべんなく知るべきか問題」と言い換えましょう。
  • 「まんべんなく知るべきとまではいわないが、コーディングくらいは知っておいてほしい」?
    • そこで恣意的に線引きする根拠は?
      • 一部の技術は知らなくてよいとするのは、あなたも知らないからでは?
      • あなたの仕事の現場において、そこまで広範な技術がもとめられていだけでは?
  • 「制作工程においてデザインとコーディングが近いから」?
    • 「ウェブデザイナーはコーディングを知っているべき」←わからない
    • 「コーディングのわからないウェブデザイナーはウェブデザイナーではない」←わからない
    • 「ウェブデザイナーが次に学ぶべきはコーディングである」←これならわかる
  • 一方で、「ウェブデザイナーがコーディングを知るべき」とあなたが感じた現実は尊重されるべき
    • 気をつけてもらいたいのは、これは「あなたにとっての現実」であり、その域を出ることはない。
    • あなたの現実に責任があるのはあなたしかいない。ウェブデザイナー一般の問題にすげかえてはいけない。
    • あなたの隣の席のデザイナーに、「コーディングつらいデザインやめろ」と伝えよう。
  • あるのはそれぞれの現場のみ

※身内がつどうプライベートチャンネルで嶌田なりの意見を書いたところ、記事にしてくれという声がありました。論点が錯綜するこの手の議論をまとめるのは得意ではないので、通勤電車の中で書ける範囲で、わたしが感じていることを箇条書きでかきくだしました。

DevTools+PerfectPixelで爆速コーディング

ネコメシでは週に1回、持ち回り制で勉強会を開催しています。各々が気になっているトピックについてスライドを作って、30分~1時間くらいの発表を行います。

先日の勉強会にて、コーディング作業高速化について発表したので、その内容を公開します。拙速が大事ということで、スライド貼っ付けただけで、説明もなにもなしですが…。

スライドに説明文を追記しました (2019-07-18 22:04)

スライド

https://speakerdeck.com/tsmd/devtools-plus-perfectpixeldebao-su-kodeingu

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アクセシビリティの祭典2019 参加レポート

2019年5月16日に神戸で開催された「アクセシビリティの祭典 2019」というセミナーに参加しました。セミナー費用、交通費、懇親会費用、ホテル代はもちろん会社負担です。なんてすばらしい会社制度!

昨年は弊社CEOの森田が参加して、同様にレポート記事を投稿しています。併せてお読みください。

アクセシビリティの祭典2018に参加してきた

わたしは網羅的なレポートは得意ではありません。技術者目線で、うんうんと頷いたり、へーっと参考になった点を中心に書いていきます。

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Stimulus – 受託Web屋に「ちょうどいい」JavaScriptフレームワーク

ネコメシでは週に1回、持ち回り制で勉強会を開催しています。各々が気になっているトピックについてスライドを作って、30分~1時間くらいの発表を行います。

先日の勉強会にて、JavaScriptフレームワークのStimulusについて発表したので、その内容を公開します。

Stimulusは控えめなフレームワークで、非SPAのウェブサイト制作(コーポレートサイト、キャンペーンサイト等)において非常に強力なツールだと思います。jQueryをメインに使っている制作者や、オブジェクト指向的にコードを書こうとしているけどいまいちコレといった腹落ちができていない人には、特におすすめできるものです。

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ネコメシの2018年を振り返る

先日、27日に納会と称した昼から飲む会をして、2018年を仕事納めしました。トゥーアールさんが会社の振り返り記事を掲載していたので、じゃあウチも…ということで。

株式会社トゥーアールの2018年を振り返る

年末ぎりぎり滑り込みって感じですが簡単にまとめてみました。なお本記事は「エンジニア編」の色が強いです。「サービス開発編」は、副社長の石村が別途まとめてくれるかもしれません。

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フロントエンドの「想定外」に対応する考え方とTipsいくつか

とても個人的な話ですが、ここ最近で自分自身のプライバシー意識の高まりを感じて、ブラウザの設定を見直す機会がありました。見直したのはCookieの設定で、許可したドメインにしかCookieを記憶しないようにしました。設定変更によるある程度の不便は覚悟していました。とはいえ、ま〜せいぜい、初回アクセスの時のモーダルが何度も出るようになるとか、ログインできなくなるとか、そのくらいかなと思っていました。

しかし実際は、悪い意味で期待を裏切られることになりました。

Cookieが無効なだけで、“全く”動かなくなってしまうウェブサイトやウェブアプリが、本当にたくさんあることに気づいたのです。

全く動かなくなってしまう原因は単純(後述)だったのですが、ちょっとした対処で簡単に直せることなのに、サイト全体が一切使い物にならなくなってて、もったいない!! と思いました。

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受託ウェブ制作のおもしろさについて(会社紹介も兼ねて)

某所で会社紹介の発表をする機会を賜ったので、弊社ネコメシの特色である「受託制作大好きっ子がいっぱいいる」ことを魅力的に話せないかなー、と思って作成したスライドを公開しました。

スライド

内容

要点だけ、内容も書いていきます。受託の面白さを述べているのはスライド19枚目からです。

スライド内容の代替テキストがないのは今のところゴメンなさい!

スライド 1

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「端っこ」におけるスクロールの挙動を制御する overscroll-behavior プロパティ

※この記事の内容は、まだブラウザに実装されていない内容を含みます。また、勧告前の仕様について言及しているため、最新の仕様では変更になっている場合があります。

要約

overscroll-behavior プロパティを使うと、スクロール境界(端っこ)におけるブラウザデフォルトの挙動を上書きすることができます。例えば、ブラウザが持っている「下方向に引っ張ってリロード」する機能や、スクロールが親要素に伝わる「スクロールチェーン」の挙動を無効化することができます。

はじめに

主にタッチデバイスにおいて、無効化したいのにできない、スワイプ操作やスクロールにまつわる困った挙動が3種類ありました。

  1. 「もうこれ以上スクロールができない」ことを表すインタラクション
  2. スクロールが親に伝播してしまう「スクロールチェーン」
  3. 左右へのスワイプで行う履歴の前後ナビゲーション

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細かすぎるけど伝わってほしい私的BEMプラクティス30(ぐらい)

BEMのいいところは、それが何者なのかが明白ということに尽きる。とある要素を見たときに、そのスタイルがどこに書かれているのか、何を表しているのかがクラス名を見ればわかる。手を入れる際も、どこに追記すればよいのか、どれくらいの影響を及ぼすのかの大部分が推測できる。

レスポンシブ・デザインと相性がいいとか、流行りのコンポーネント指向と相性がいいなど、BEMの良さは他にもいくつか挙げられるけど、決定的なのは明瞭さであると思う。

BEMを使いはじめてかれこれ3,4年くらい経った。その間に色々な命名規則や設計思想が登場してきたけれども、今のところは浮気する程の魅力を他に感じることもなくBEM一筋でやってきている。ただし実践するにつけて、より明瞭で破綻しづらい設計を実現するために、様々な制約やガイドを設けてやってきたので、「もともとのBEM」からは多少なり離れているかもしれない。

ただし、それはBEM的にはオッケーなのである。もともと「正しいBEMの書き方」というものはなく、みんなの中にそれぞれのBEMがある、という捉え方でオッケーなのだということだ(みたいなことが実は公式にも書いてある)。

少し長くなるけれど、私がいつも使っているプラクティスを紹介する。

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