UIデザイナーの募集の仕方

UIデザイナー不要説 / LSD LAB
の記事から
UIデザインの価値 | Parallelminds
に続いて
UIデザイナー募集で困ってること | F’s Garage@fshin2000
こうなるらしいです。

で、特にえふしんさんのやつに続けて書きますね。

イケてるUIデザイナーとうまく出会えないのには、やはりそれ相応の理由があります。求職側にも採用側にも「UIデザイナー」というラベルが指し示すスキルセットの指標というのが暗黙的にあって、そこがうまくマッチしないから採用できない、応募はあってもこれはという人に出会えていないってことになるわけです。

さて、BASEではこのようなスキルセットを「UIデザイナー」として提示しているとのこと。

1.D.A.ノーマンの本ぐらいは読んだことがあって、ユーザインターフェースを意識しながらユーザビリティの高い設計ができて
2.ビジュアルデザインのスキルもあって、カッコいサイト、サービスが作れて、
3.ちゃんとユーザーさんのことを意識できて(つまりWebはコミュニケーションであり、動的制御であることを意識し、)
4.HTML、CSS、JavaScriptを全部書いてほしいし、一度書いたテンプレートは、PHPレベルで修正してね。(gitや黒い画面なんか恐れずに)
5.さらに言えば、それは何かの意図を実装に落とすのだから、企画したり周りとうまく会話したり説得したりするスキルも欲しい。

わりと、それなりに具体性があるようなないようなという条件で、でもまあ、この条件を読んで「あ、もしかして俺のこと?」と思う人がいないこともないだろうという感じではあります。もちろん、待遇面の折り合いなどもあるわけですが、この5項目だけでは足りないんです。提示っぷりが足りない。ここには書かれてないけれども、非常に重要な、もしかすると1番目に書かれているべきかもしれないことが抜けているんです。

それは、

以上の1~5を遂行するにあたり、自分で考えて計画を立てることができ、計画と成果物を人に説明できる。

であります。これをあらかじめ提示しておかないと、せっかく1~5ができるという人物と面接してみても、「なんだかこいつ待ち体質っぽいなー」みたいな感想を抱いてしまって採用できなかったりします。まあ逆にいえば、求職者は、ポートフォリオ(成果物)を提示する際に、自分で作成した企画書や計画書も合わせて提示することで、妥当な評価をしてもらえるともいえます。さらに逆にいえば、企画書や計画書なきポートフォリオに価値は無いともいえます。ていうか、逆の逆でもとに戻ってますが。

ちなみにBASEはスタートアップ的な会社ということで少人数体制なのだと思いますが、ある程度人数がいたり、デザインチームみたいな体制があったりする組織の場合であれば、ここまでできるんだったら是非ともチームマネジメントもしてほしい的な暗黙の要請をうけてしまうため、アートディレクション能力のみならず、デザインマネジメント能力、チームマネジメント能力、はたまたブランドエクイティ戦略能力やらセールスプロモーション能力なども求められてしまうかもしれません。恐ろしいことです。そのへんマジであらかじめ全部書くべきだと思います。求められる暗黙的スキルが多すぎて「のりしろ」では表現できないかなあと。

それで、じゃあこれ全部できる人っているのかよ?っていうと、まあいるんですけど、年俸300万とかじゃとれないですよね、当然ながら。個人的な感覚では、このクラスの人がフリーランスでやった場合の年売上想定から鑑みると、年俸600~1200万くらいは提示したほうが良いと思います。

いやいやそんなに給料出せないし、というのも、会社としては当然あるでしょう。それは自然な反応でもあります。

ということで、「UIデザイナー」にバンドの概念をもたせるのが良いと思います。バンドって一般的に言うのかわかりませんが、bA(現BA)時代からバンドって言ってたので。呼び方はレンジとか、ランクとか、レベルとかでもいいと思います。

バンドは、ざっくりいって「アシスタント」「スペシャリスト」「マネジャー」「ディレクター」みたいな区分を設けます。ついでに、UIデザイン事業部のディレクターです、とか、UIデザインチームでマネジャーやってます、とか、そんな風に名乗らせればそのまま名刺にも使えたりして便利です。

  • アシスタント:スペシャリストの作業を補佐するオペレーションを担う。(たとえば、デザイン展開やページ量産など)
  • スペシャリスト:タスクの単位内で、当該タスクの主幹者として業務を遂行する。(たとえば、デザイン作成、テンプレート作成など)
  • マネジャー:プロジェクト計画を立てWBSを作成し、全タスクのディレクションの主幹者として業務を遂行する。(たとえば、デザイン設計、デザインディレクション、テクニカルディレクションなど)
  • ディレクター:もっと偉い人。

と、まあ、たとえばこういう感じ(バンドによって給与幅を変えてくださいね)。

このように、「UIデザイナー」のスキルセットとともにバンドの概念を定義しておくことで、

UIデザイン事業部のスペシャリストを募集しています!

といえば、「計画はこっちで作るから、その中で業務遂行できるUIデザイナーを募集しているよ」という意味になるし、

UIデザイン事業部のマネジャーを募集しています!

といえば「どういうプロダクトが必要かを企画してプロジェクト化して推進できるUIデザイナーを募集しているよ」という意味になるわけです。

とまあ、ひとつの案ではありますけれども、こうやって、もっともっと具体的に、どういう人を求めているのか、求職側なら自分はどういう人なのかっていうのを、お互いに説明しやすいような言葉のプラットフォームが整っていくことが、UIデザイン業界(謎)には求められているんじゃないかなあと思います。