UI用語で、「モーダルウィンドウ」や「モーダルダイアログ」という言葉があります。これらのことをまとめて「モーダル」と読んでも差し支え無い時代になりました、ということを書きます。
モーダルウィンドウとはなんでしょう? モーダルウィンドウはUIパターンの名前です。それまで作業していたウィンドウの上に乗っかってきて、そのウィンドウに対して何かしら操作をして閉じないかぎり、元あったウィンドウにはアクセス不能になる、という原則を持ったパターンのことです。なかでも、OKボタンを押すとかテキスト入力を促すとか、対話的な操作を求めてくるUIは「モーダルダイアログ」と呼ばれることもあります。
モーダル(modal)という単語は「モードのある」という意味の形容詞です。UIの状態(モード)が2つ以上あって、それらが操作上明確に分けられていることをモーダルであると表現します。
「モーダル」と言うと怒られることがある
「モーダルウィンドウ」という単語は言うにも書くにも長ったらしい。あまりにもよく出てくるUIパターンだものだから、省略したくなるのは人の心です。
しかし、「モーダル」と省略すると怒る人がいるのです。いや、かくいう私も怒るほうのタイプだったんでした。
「モーダルじゃなく、モーダルダイアログだ。省略するんじゃない!」
怒る理由は、modal という単語は形容詞だからです。形容詞はその後に係り受けの語句が必要ですが、「モーダル」にはそれがない、という理屈です。たとえるならば、「私は優しい人に心惹かれます」という文章を「私は優しいに心惹かれます」と書いたら怒られるのと同じです。
もはや「モーダル」でもいいのだ
「モーダル」だとダメ。実は最近はそうでもなくなってきた、と思っています。
その根拠は正直なところ乏しいのですが、Twitter Bootstrap が modal という単語を名詞として使っているというのが最大の理由です。
ネイティブの感覚として modal が既に名詞として受け入れられているということならば、日本語でだって「モーダル」でも、別にイイんじゃないでしょうか。すくなくともウェブの文脈においては……。
という謎の提言でもって終わります。