誰向けなの?っていうコピーが好き

今どきのガムというと、右も左もキシリトール入りのガムばかりで困ってしまう。作業中に連続食いしてしばらくするとトイレに行きまくりみたくなってそうなると作業が断続的になるからすごい迷惑。せっかく作業中のおともに食べているというのに。

ロッテのグリーンガムみたいなの売ってねーのかよーと思いながらサンクスの陳列棚を見ていたら、ふと目に入ったFit’s。このパッケージにはキシリトール配合って文字が無い。なんだなんだ、Fit’sはキシリトール入ってないのか!Fit’sなら味も数種類あるし、コンビニでもわりと見かけるからこれなら安心だと、Fit’sを大人買いして作業中にくっちゃくっちゃ連続食いしてたら、やっぱりトイレ行きまくりみたくなったのでFit’sの成分表のほうをよく見たら、たくさん食べるとおなかがゆるくなることがありますって書いてあって、キシリトールじゃないけど同じ結果をもたらす成分が結局入ってるのかよという。

このおなかがゆるくなるっていうの、致命的なのでパッケージ前面にもっと強く書いてほしいなあと思ったりするけど、あんまりやるとタバコのパッケージみたくなってテンション下がるデザインになってしまうのだろう。

三茶には、おかしのまちおかがある。コンビニほど手軽な距離ではないので作業中のおとも補給のためにちょいちょい行くのは面倒だけども、定期的にじゃっかん多めに仕入れてくるというのには向いている。そして、おかしのまちおかに売っているガムには、おおむねキシリトールのたぐいが入っていない。特に僕が好きなのはソーダガムだ。青いパッケージのやつで、中にシュワシュワする粉が入っているやつだ。噛むとかなり速攻で味がなくなるが、連続食いするので問題ないし、何よりおなかがゆるくならないのが良い。

スーパーソーダガム
このソーダガムであるが、パッケージ前面に「シュワッと楽しい! カルシウム入り!」と書いてある。シュワッと楽しいはわかる。しかしカルシウム入りは誰向けのコピーなのだろう? 子どもがこのパッケージを見て、わーシュワッと楽しいんだ、シュワシュワパウダー入りなんだと喜ぶ可能性はあるにせよ、うわーカルシウム入ってて健康だわーみたく思うことなんてないんじゃないか。なんせ昔は駄菓子屋に売ってたたぐいのガムなのだから。

いやあるいは、おかしのまちおかはわりと子連れママ的な人やOLさんたちも買いに来ているので、そういう人たちが、「あら、カルシウム入りなら安心ね」とか思って買うのだろうか。カルシウムの入ってないソーダガムとカルシウムの入っているソーダガムが並んでいる時に、どうせならカルシウムの入ってるほうを買おうということはありえるかもしれないのだが、そうでない場合にどういうアドバンテージをもたらすコピーなのかがよくわからない。

キャッチコピーというよりエクスキューズなんだろうか。どちらかというと消費者庁みたいなところや、あるいはPTAみたいな団体向けのエクスキューズだろうか。

などなどと背景を考える余地などもあり、こういう、それ誰向けのメッセージなの?っていうコピーのたぐいは、なにげにじわじわきたりするし、なかなかに好きなのである。

 

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石光 真清
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