子どもの忘れ物をなくすために

うちの子(小2)はどうにも忘れ物が多く、担任からもしばしば忘れ物について指摘される。そこで我が家では、毎晩子どもが寝る前に、明日の学校の準備を子どもと一緒にやるというのを欠かさないように親もがんばっている。

ちなみに、特に注意したいのは金曜の夜だ。土曜授業がないのであれば、翌日学校はないわけで、月曜の学校の準備というのをさぼってしまいがちだ。しかし、なにげに来週の準備として、ふだんは無いものが混ざっていることがある。たとえば、来週図工で使うので箱を用意しておいてくださいとか、来週班活動でお弁当の日がありますとか、そういうやつ。それらのための準備には、ぜひとも土日を使っておきたいということになる。イレギュラーな準備を前日に言われても、子どもが寝る寸前とかに発覚してもどうにもできないっていうこともあるわけなので。もちろん、お弁当の食材自体は前日に買うことになるのだが、そもそもその”前日”に滞りなくお弁当の食材を買えるように業務の予定を調整しておくみたいなことも必要になりうる。年間予定とかには載らない系の、細かいイレギュラーな予定にまつわる情報は早めに知っておきたいことに変わりはない。

さて、親が一緒に学校の準備をすれば忘れ物がなくなるのか?というと、実はそうでもない。忘れ物には大きく2種類あって、1つは物理的に持っていく何らかの荷物や備品などであるが、もう1つは宿題である。宿題は、ノートやプリントを単に持っていくだけではもちろんだめで、やってないといけないのである。そこで、一緒にやるべきは学校の準備だけでなく、そもそも遅くとも夜ご飯の時間くらいには、今日やるべき宿題が終わっているかどうか確認する必要がある。我が家の場合はマグネット式の自作タスクリストを活用しており、そこに「学校の宿題」という項目があるため、確認し忘れるという事態をどうにかこうにか免れているといえる。ちなみに、前述の「明日の学校の準備」も可視化されているのでどうにかなっている。親は親で、自分たちの仕事やら何やらでわりと精いっぱいだったりもするので、子どもに対するケアのルーチンをうっかり忘れてしまうことは多々ある。そんなわけで自作タスクリストは、親にとっても非常に役に立っている。

しかしである。恐ろしいことに、それでもまだ忘れ物はなくならないのだ。なぜかというと、先ほど分類した忘れ物2種類になるより前の段階に、忘れ物のタネみたいなものがあって、そこへもフォローが必要だというのを見落としていたからだ。で、そのタネとは何だったのかというと、またこれも2種類ある。1つは学校から持って帰ってくるのをそもそも忘れるということと、もう1つは、家から持って行ったもののこと自体を忘れている(結果として出すのを忘れる)という事象に起因する、忘れ物である。これらをなくすにはどうしたら良いかというと、基本は声掛けだということになる。朝学校へ行く時に、「今日〇〇してね」などと最後の声掛けをするのである。まずはこれによって後者を解消して、前者については一日遅れで巻き取れば良しとする……のだが、親のほうも人間だもの。この声掛けをうっかり忘れてしまうこともある。忘れた時に限って、子どもが家を出てから10分後くらいに「あ!」と思い出すということが多々あり、自分に歯がゆい思いをしたり、へこんだ気持ちで会社へ出勤しなければならなくなったりもするものだ。また、親が声掛けを忘れなかったとしても、子どもが通学途中でトンボやカエルを見つけでもしようものなら、最後の声掛けのことなどすっかり忘れてしまうという、どうにもコントロールできない事実もある。したがって、単純に声掛けを欠かさないというだけでは解決できなかったりもするのが実情だ。

そこで考え出したのがこれである。
この時は、ベルマーク袋を出さないといけないというイレギュラーな日だった。

本日のやることメモをランドセルに入れている様子

カブセ裏の時間割ポケットに、イレギュラー対応の指示を書いたメモを入れておくのである。

ランドセルの部品名称的にはカブセ裏と呼ぶらしいこの部分には、時間割を入れておけるクリアポケット的なものがついているのだが、ここは、ランドセルを開閉するたびに目に入るのでほぼ確実に目に入る。ここにイレギュラー対応の指示を簡潔かつ具体的に書いて入れておく。もちろん、入れる際に声掛け自体は済ませてある。前日夜に子どもと一緒にやる明日の学校の準備において、「明日このプリント出しておいてね」と言い聞かせながらこのメモをポケットに突っ込むわけだ。そして子どもが学校に着いてランドセルを開けたらメモが目に入った時に、その声掛けを思い出してもらおうという作戦なのだ。

結論から言うと、この目論見は当たった。
この作戦は完全に機能している。

これにより提出忘れ系の忘れ物のタネはかなり発生しなくなった。学校から持って帰ってくるのを忘れたという場合も、本人がそれに気づいたか連絡帳やプリントなどを見るに持ち帰り忘れだろうと察することが出来れば、「〇〇をもってかえってくる」というメモを入れることで、一日遅れになるがほぼ確実にリカバリーできるのがポイントだ。ちなみに、朝行くときは雨が降っているが帰りはすっかり晴れているという日なんかでも、「カサをもってかえってくる」というメモを入れておくだけで傘を忘れずに持って帰ってくるのが面白い。ただしこなせる量に限界はあるだろうから、うちでは基本的にイレギュラーな対応だけにしぼってメモ化するようにしている。

保護者会でクラスメイトのお母さんが、自分の子どもの忘れ物について嘆いていた。この作戦を伝授したところ、忘れ物が激減したとの報告も頂いているので、我が家以外にも通用するのではないだろうか。結果を保証するものではないけれども、是非お試し頂きたい。